山下レディースクリニック
腹腔鏡検査で手術したのですが・・・
2006年2月7日
こんにちは。私は3年前に流産をし、その後まったく妊娠せず昨年2月に卵管造影を行い左卵管が詰まっていると診断されましたが、その病院に馴染めず現在の病院に移り8月に2度目の卵管造影検査をしました。その結果、両方の卵管には異常が無く卵管采が癒着している模様と言われ、11月に腹腔鏡手術を受けました。その術後の説明だと卵管采は癒着が無く両方の卵管の一部が閉鎖していたのできれいに通過させましたとのこと。私はそう言われ胸を撫で下ろしたのですが、先日、術後初めての卵管造影検査をしたら造影剤が通らず詰まっていると診断されました。こういうことって(手術をしても改善していない)よくあるのでしょうか?卵管采が癒着しているから手術を勧められ、手術してみたら卵管采はきれいで卵管が詰まっている、それを治しました、でも改善していない、と私の中では治療に対する不信感がつのり、今後どう治療と向き合っていったら良いのか、現在悩んでいます。もちろん自分で気持ちの切り替えをしなければならないのは分かっているのですが、今週また診察を受けます。このときに何を主治医の先生に伝えたら良いのでしょうか?もし参考になるアドバイスがあれば教えてください。よろしくお願い致します。
一番大切なのは、ここに書かれていることをそのまま、1度主治医にぶつけてみられることだと思います。
経過をお聞きすると、不信感をもたれて当然とも思えます。
子宮卵管造影などの検査で卵管の癒着や通過性をしらべる場合は、もともとその診断が正しい確率は60〜70%といわれているようなもので、それが検査の限界なのです。所詮そんなに詳しい正確なことはいえない、ということではあるのです。ですから、そのために、卵管に問題がある疑いがあれば腹腔鏡などの検査にすすんでもっと詳しく調べるというような考え方もあるわけです。
腹腔鏡をおこなった場合でも、じゃあ、癒着があったらそれを
はがしたりするわけですが、卵管というのは非常に繊細な構造の
管で、単に外見的に癒着をはがしてみても、癒着をつくった原因(感染であるとか、内膜症であるとか)によって、すでに
卵管の機能がダメージをうけてしまっていて通過はしていても
卵管としてはちゃんと機能しないようなこともいくらもあるわけです。手術や腹腔鏡を行うこと自体で多かれ少なかれ術後に癒着をまねくこともあるでしょう。もちろん、癒着をはがして、卵管が通って、体外授精しなくてすんだという方もおられるでしょうが、そうでない場合もいくらもあるわけです。患者さんには、聞こえのいい情報だけでなく現実的なデータ、副作用、合併症、などを事前に正直にお話するべきではないでしょうか。
そのうえで、納得してうけていただくべきではないでしょうか。
それがなかったから患者さんから不信をもたれることになるのではないでしょうか。あなたは大変もっともなことを言われていると思います。ただ、医者の側にもいい分はあるかもしれませんし、私は患者さん側からの情報しかない以上、これ以上のコメントは無理ですので、どうぞ主治医とありのまま話し合ってみてください。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
©山下レディースクリニック