山下レディースクリニック
不妊検査の必要性
2005年8月4日
鈴木先生。毎回教えて下さって感謝しています。
ご多忙中恐れ入りますが,今回も教えて頂けないでしょうか。
現在35歳です。
去年初めての自然妊娠で残念ながら稽留流産しました。
本を読む限り 流産によって卵管の癒着がおきやすいと書かれていましたし実際 不妊病院の医師からも一度卵管造影や一通りの不妊検査を受けるようにと言われました。
しかし掛かり付けの一般婦人科の医師からは,今すぐの検査は必要ないと言われています。
従って血液検査等全く検査をしていません。
これは一般婦人科と不妊専門という立場の違いからの見解なんでしょうか。
今月2回目のタイミング指導を受けましたが妊娠には至りませんでした。
私としては苦痛を伴う検査はなるべくならしたくないのですが,流産によって卵管癒着が起きる可能性はどれくらいなんでしょうか。
若い方なら流産しても様子を見る時間がありますが,高齢になってしまうと やはり検査は受けた方がいいのでしょうか。
念の為,血液検査くらいならして欲しいという気持ちはあるのですが・・・。
鈴木先生でしたら どこまでの検査を勧めますか?
流産によって卵管が癒着するというのはあまり聞きませんが。
流産や中絶で子宮内容をかきだす処置をしたあとで、よっぽど
感染をおこしたとかいうことがなければ流産で癒着はあまりないと思いますが。流産率は年齢があがれば年々あがってきます。
流産の原因で一番多いのは染色体異常ですから年齢とともに
その確率が高くなるのは仕方がないことなのです。とりあえず、あなたの場合、卵管は問題なかったからこそ前回妊娠されたわけですから、別に今、ほかの事に先んじて卵管造影をする必要はないかと思いますが。血液検査はどの項目でのことかわかりませんが習慣性流産のチェックでおこなうような検査を流産1回目にかたにするかどうかは、お年が35歳とはいえあまり適応はなさそうですが。とりあえず、またトライされてみるしかないと思いますが。流産を完全に防ぐような方法は今の医療のレベルでは
存在しません。
私も、主治医の先生に近い意見でしょうか。検査はやみくもにするものでなく、その検査でどんなことが判明する可能性があって
その結果でどれくらい今の治療法がかわる見込みがあるのか
ないのか、よく考えてメリットのいちばん大きい方法をとるべきと私は思います。
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